麻雀は基本的に半荘(東場・南場)終了時点で持ち点が一番多いプレイヤーが勝者となります。この点数のやり取りは局単位で和了者が受け取る点数の他にもトップ賞のオカ順位賞のウマ等があげられます。ここではオカとウマを中心に麻雀の精算について詳しく見ていきたいと思います。

ウマ(順位賞)とオカ(トップ賞)-もくじ

オカの仕組み

オカ=トップ賞であることは先ほど紹介した通りです。ではこのトップ賞の点数はどのような仕組みになっているか解説していきます。まず、半荘開始時に各プレイヤーに配られる点数のことを配給原点と言います。配給原点にもいろいろと採用される点数がありますが、ここでは最も多く採用されている25000点を例に解説していきます。

配給原点とは別に点数がプラスポイントになるかマイナスポイントになる境の点数があり、この境の点数を原点と言います。一般的には配給原点が25000点の時は点数がプラスかマイナスかの境、原点は30000点に設定することが多いです。麻雀をしていると、「持ち点25000点の30000点返しな!!」なんてフレーズを聞くことがあると思いますが、これは、配給原点の25000点と原点の30000点のことを表している訳ですね。

最初に配給される点数が25000点で原点が30000点ということは局開始時は4人全員がそれぞれ-5000点からスタートとなります。つまり原点の0点から考えると合計で4人×5000点で20000点が何もしなくても最初から引かれている状態になっているわけです。

そして、最初に引かれている20000点分をゲーム(半荘)終了時にトップ賞として点数の一番高いプレイヤーが総取りします。これがオカの仕組となります。

ちなみに、半荘終了時点で4人全員が原点に達していない場合は、西場に突入するのが一般的です。西場で採用されるルールも様々で、各プレイヤーが親番を終了するまで続行する場合や、誰かが原点を超えた時点で強制終了するサドンデスルールなどがあります。

オンラインネット麻雀等では時間短縮のために前者が採用されている場合が多くなっていますが、サドンデスルールは親番が早いプレイヤーが有利になるので、リアル麻雀では親番が一周するまでゲームを行うのが一般的となっています。

清算具体例(オカ)

では実際に計算してみます。配給原点が25000点、原点が30000点の場合、例えば半荘終了時点で・・・・

東家 25000点
南家 41000点
西家 20000点
北家 14000点

だったとします。

まずは原点が30000点なので、ここを基準に30000点以上持ち点があればプラス、持ち点が30000点以下ならマイナスとなります。ですので、半荘終了時点の点数の合計から30000点を引いて得点がプラスなのかマイナスなのかを判断します。

東家 -5000点  -5pt
南家  11000点  11pt
西他 -10000点 -10pt
北家 -16000点 -16pt

4人のプレイヤーの合計得点は (-5000点)+(+11000)+(-10000点)+(-16000点)=-20000点となります。この原点からからの差額20000点(20pt)分をトップのプレイヤーが総取りします。つまり最終的な点数は・・・

東家 -5000点  -5pt
南家  11000点+オカ20000点=31000点 +31pt
西他 -10000点 -10pt
北家 -16000点 -16pt

となります。

清算具体例2(オカ)

配給原点と原点はいろいろな種類があるので、もう一つ例題を上げておきます。配給原点が30000点、原点が40000点の場合、半荘終了時点で

東家 20000点 
南家 42000点
西家 15000点
北家 43000点

だったとします。

原点は40000点なので、ここを基準に最終的に持ち点がプラスかマイナスかを判断していきます。ですので、最終的な持ち点から原点である40000点を引くと・・・

東家 -20000点 -20pt
南家 +2000点  +2 pt
西家 -25000点 -25pt
北家 +3000点  +3 pt

となります。南家が+2pt、北家が+3ptとかなりの接戦でした。ですが、トップ賞のオカが与えられる北家は(原点40000点-配給原点30000点)×4人分=40000点、つまり40ptが与えられるので、北家の最終得点は+43ptになり1位と2位にかなりの差が生じます。最終的点数は、

東家 -20000点 -20pt
南家 +2000点  +2 pt
西家 -25000点 -25pt
北家 +3000点  +オカ40000点=43000点 +43pt

となります。このようオカがあるルールでは僅差でもいいので一位をとることが非常に重要になってきます。

競技麻雀などでただ単に実力と順位だけを明確にしようとする場合、配給原点30000点、原点30000点、つまりオカなしのルールを採用している場合もあります。
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ウマの仕組み

前述ではトップ賞のオカについて紹介しました。トップ賞なのでもちろん一位のプレイヤーの得点のみがボーナスとして増えるのがオカでしたが、ウマは順位賞になるので、一位以外のプレイヤー、2位、3位、4位のプレイヤーの点数も直接的に影響してきます。当然ですが、順位が良いほどその恩恵は高くなります。

ちなみにウマには、「順位ウマ」「差しウマ」「沈みウマ」「外ウマ」等様々なウマがありますが、一般的にウマというと、最も多く採用されている「順位ウマ」のことを言います。

順位ウマ

順位ウマはゲーム(半荘)終了し順位が確定したら、その順位を元にさらに点差をつけるルールで4位のプレイヤーは1位のプレイヤーに、3位のプレイヤーは2位のプレイヤーに特定の点数を譲渡することになります。譲渡する点数は取り決めによって様々ですが、基本的に以下の4つのパターンが採用されることが多くなっています。

順位ウマ5-10(ゴットー)

5-10は半荘終了時点で
4位のプレイヤーが1位のプレイヤーへ10000点(10pt)
3位のプレイヤーが2位のプレイヤーへ5000点(5pt)

点数を譲渡します。

順位ウマ10-20(ワンツー)

10-20は半荘終了時点で
4位のプレイヤーが1位のプレイヤーへ20000点(20pt)
3位のプレイヤーが2位のプレイヤーへ10000点(10pt)

点数を譲渡します。

順位ウマ10-30(ワンスリー)

10-30は半荘終了時点で
4位のプレイヤーが1位のプレイヤーへ30000点(30pt)
3位のプレイヤーが2位のプレイヤーへ10000点(10pt)

点数を譲渡します。

順位ウマ20-30(ツースリー)

10-30は半荘終了時点で
4位のプレイヤーが1位のプレイヤーへ30000点(30pt)
3位のプレイヤーが2位のプレイヤーへ20000点(20pt)

点数を譲渡します。

差しウマ

差しウマとは順位ウマとは違い特定のプレイヤー間で順位を競い合い点数(ポイント)を譲渡するルールとなります。

ただし差しウマは、差しウマに関係ないプレイヤーの和了や放銃で順位が変動したり、レート次第で全体の順位や点数を無視して、差しウマをしているプレイヤー間のみを意識した打牌が行われる可能性があります。このような差しウマはトラブルの原因を多分に含んでいる為、雀荘等ではトラブル防止のために禁止されてることが多くなっています。ちなみにこの差しウマは、「握りウマ」「オニギリ」「別横」と言ったりもします。

馬身

差しウマの1種に馬身というものがあります。差しウマは特定のプレイヤー間で順位が上か下かのみを見て点数の譲渡を行い、譲渡する点数は一定で初めの取り決めで決めた点数から変動はしません。

馬身は順位が上か下かのみを見るのではなく、その順位差によって譲渡する点数も変動するルールとなります。具体的な例をあげてみると・・・・

馬身3000の時
Aが1位の時、Bが2位の場合、順位差は1なので、3000×1=3000点(3pt)
Aが1位の時、Bが4位の場合、順位差は3なので、3000×1=9000点(9pt)
Aが2位の時、Bが4位の場合、順位差は2なので、3000×2=6000点(9pt)
となります。

馬身に設定する点数は、もちろん当事者間で行いますが、差しウマの1種には変わりないので、差しウマ同様に雀荘等では禁止されている場合が多くなっています。

沈みウマ

沈みウマとは原点を基準に点数のポイントがマイナスのプレイヤーに支払い義務が発生するウマの1種です。例えば原点が30000点のルールの場合、30000点を割り込んだプレイヤー全員がウマで決めた点数をトップのプレイヤーに支払うことになります。

点数はトップが総取りとなるので、原点より凹んだプレイヤーが多ければ多いほど、トップの得点が増えることになります。沈みウマはその名前が示す通り、原点より点数がマイナスにならなければ(沈まなければ)支払い義務は発生しません。