麻雀には多種多様なローカルルールが存在します。ローカールルールでの決め事はその地域やグループによって様々で「これ!!」というものが無く全てを網羅することはできません。(※今から麻雀を行う4人が承認したらどんな決め事でもローカルルールです。)

今回はそんな中でも広く普及しているローカールルール【喰い替え】について紹介していこうと思います。この喰い替えはローカルルールではありますが、多くのグループや雀荘で採用されているので、ローカルルールといっても無視はできません。

喰い替え禁止ルールを採用している場合、喰い替えを行ってしまうと、注意やあがり放棄等のペナルティーを課せられてしまうのでしっかりと覚えておきましょう。ちなみに、ごくごく少数ですが、喰い替えで満貫罰符を採用しているグループもあります。(基本的に満貫罰符は厳しすぎるので、あってもあがり放棄です。)

喰い替えに注意!メージャー過ぎるローカルルール-もくじ

喰い替えとは?

喰い替えとはすでに完成している順子や刻子などの面子を副露(チーやポン)し、直後にそのその面子からあふれた該当牌を切り出す行為の事を言います。

喰い替え

喰い替え禁止にしているグループや雀荘が非常に多いのは不要なトラブルを避ける為という意味合いが非常に大きくなっています。具体的に言うと、例えば誰かが發を切ってリーチをかけるとします。すると他の3人のうち誰かが發をポンして發を切り出します。

晴れてリーチ者の一発をノーリスクで回避できました。めでたし。めでたし。リーチ者は「・・・・・。」となります。また同じような理由で喰い替えでテンパイやリーチしているプレイヤーの海底牌をズラすことも可能です。どちらもされた側からすると気持ちいいものではありません。こういった負の感情が生まれることから喰い替えを禁止しているお店やグループが多くなっています。

ただし、逆に言うと喰い替え有りの場合は様々な場面で戦略として使用できるため、ゲームの幅が広がり、ゲーム自体がよりおもしろいものになる場合があります。なので、競技麻雀では喰い替えが禁止されていません。

3つの喰い替え

喰い替えは【モロ喰い替え】【スジ喰い替え】【暗刻の喰い替え】の3種類があり、それぞれ特徴があるので下記にまとめておきます。

モロ喰い替え

モロ喰い替え

その名の通り、副露(チー)をして取り入れた牌と全く同じ(モロ)牌を打牌する行為。

モロ喰い替えのメリット

・リーチ者の一発を消す
・海底牌をズラす

スジ喰い替え

スジ(筋)とは以下のような3つ飛ばしの数敗の事を指します。スジについては、【スジ牌から安全牌を読む】で詳しく紹介していあす。

14ワン47ワン
25ワン58ワン
36ワン69ワン

つまりスジ喰い替えとは1ワンをチーして4ワンを打牌したり、2ワンをチーして5ワンを打牌する行為の事を言います。

スジ喰い替え

【スジ喰い替え】は【モロ喰い替え】とは違い、順子の構成が変化するので、ただ単に一発解消や海底ズラしをする以外にも、タンヤオ・三色・チャンタ等の役作りにも活用ができる他、ドラ牌の取得にも利用できる場合があります。

スジ喰い替えのメリット

・役作りやドラ牌の取得
・リーチ者の一発を消す
・海底牌をズラす

刻子の喰い替え

刻子の喰い替え

麻雀を始めたばかりの方でも解りやすいのがこの刻子の喰い替えだと思います。その名の通り刻子の喰い替えは、5ソウの暗刻が手牌にある場合、5ソウを副露(ポン)して5ソウを切り出す行為の事を指します。

モロ食い替えの時と同様にリーチ者の一発を消したり、海底牌をズラす為に活用できます。

一見カンを宣言しても内容は変わらないような気がしますが、自身は副露しているためカン裏ドラ開示の権利はありませんが、メンゼンであるリーチ者にはカン裏ドラ開示の権利を与えてしまうので、自身がよっぽど良形でのテンパイをしているだとか、一発逆転狙い等の特殊な状況下でない限り喰い替えが可能な場合は喰い替え(ポン)が正解となります。

刻子の喰い替えのメリット

・リーチ者の一発を消す
・海底牌をズラす

2つの喰い替え回避方法

喰い替え禁止ルールで麻雀をしている場合、喰い替えをしないようにする必要があります。そもそも「どうしても喰い替えをしないといけない!!」なんて場面にそうそう遭遇するものではありあせん。・・・仮に遭遇した場合に喰い替えを回避する二つの方法を紹介しておきます。

喰い替えに該当する牌を一巡あけてから切る

タイトルの通りですが、最も簡単で確実な方法がこれです。喰い替えとは完成している順子や刻子を副露して同巡内に該当牌を切り出すことで成立します。つまり、喰い替え該当牌を一巡以上あけてから打牌すれば、それは喰い替えではなくただの副露となります。

喰い替えにならない①

6連続する数牌で2つの順子ができている場合

ペナルティーを指摘する場合、外(他家)から見て確認できる必要があります。しかし6連続する数牌で2つの順子ができている場合、他家から見てこれを証明することができない喰い替えが存在します。

たとえば、手牌に345678ソウと順子が2つ順子が完成している場合、上家の5ソウをチーして534ソウチーとして5ソウを切り出せばモロ喰い替えでペナルティーとなります。また同じく5ソウをチーして567ソウチーとして8ソウを切り出せばスジ喰い替えとなりペナルティーとなります。

ですが、6連続する2つの数牌の場合もう一つのチーの組み合わせが存在します。それが、5ソウをチーし534ソウチーを晒し、ここで8ソウを切ります。このパターンは喰い替えにはなりません。理屈としては、既に完成された順子を崩さずに副露し打牌しているので喰い替えに該当するのでしょうが、外から見てそれを証明することができません。

解りやすく牌を伏せるこのように牌を伏せて見てみます。
〇〇〇534ソウチー5ソウ切りは外から見てもモロ喰い替えがわかります。

次に、〇〇〇567ソウチー8ソウ切りでも外から見てスジ喰い替えだと分かります。

ただ、〇〇〇534ソウチー8ソウ切りした場合、喰い替えしていることが外から見てるとわかりません。

このように、晒した牌と離れた牌を切り捨てると、他家からはそれが物理的に喰い替えになっているかわかりませんし、それを証明することもできません。証明できないといくとは喰い替えには当てはまらないということになります。

まとめ

以上が喰い替えとその回避方法となります。繰り返しになりますが、絶対に「喰い替えをしないといけない!!」なんて状況はなかなかありません。基本的には喰い替えすることで、せっかくのメンゼン手が崩れてしまったり、手牌の一部を晒してしまう等、喰い替えをする側にも当然デメリットがあります。

また、麻雀を始めたばかりの方は、より考える機会が多いメンゼン手で手役を育てていくのが麻雀上達のセオリーとなるため、闇雲な副露はお勧めできません。できる限り副露はひかえた方が良いでしょう。

喰い替えはローカルルールとは言え禁止しているグループはとても多いです。どうしても戦略に組み込みたいのであれば、事前に確認を取っておきましょう。