麻雀は基本4人で行うテーブルゲームです。そして和了(あがることが)できるのは基本的に4人の内たったの一人だけです。(ダブロンやトリプルロンは除外)逆に言うと4人の3人はあがることができません。仮に4人の実力が同じであれば確率的にあがれるのは25%、そして75%はあがることができません。

ここで重要になってくるのが振り込み(放銃)の回数です。(流局を除いて)自身があがれない時の点数の移動は以下の通りです。

あがれない時の点数の授受

・他家が放銃=自身の点数は移動無し
・ツモあがり=他の3人で支払う点数を分担
・自身が放銃=自身で全ての点数を支払う

当たり前のことではありますが、自身が上がれない場合は他家の放銃が一番自身の傷が浅くて済みます。というより自分自身は点数の移動がないのである意味無傷ですね。次にツモ上がり。この場合はあがれなかった3人で点数を分担して和了者に点数を支払うことになります。支払う点数を3人で分担するので、まだ比較的傷も浅くて済みます。

最後が自身の放銃、つまり振り込みですね。放銃すると一人で全ての点数を支払う必要があり、一度高い点数に放銃すると挽回はかなり困難になります。

(4人の実力が同じと仮定した場合)3/4はあがれない麻雀というゲームでは放銃率をへ減らすことが【脱・下手くそ麻雀】への近道になってきます。

そして、振り込みを減らすために、スジ(筋)読みという麻雀テクニックがあります。スジ読みを理解しているとしていないとでは、放銃率がかなり変わってきます。初心者と上級者での実力の差があるのはスジについて理解しているかどうかという部分が大きかったりもします。前置きが少し長くなりましたが、スジについて詳しく見ていきましょう。

【スジ牌から安全牌を読む】もくじ

スジ(筋)とは?

スジとは3つ飛ばしの数牌の事を言います。具体的に言うと
14ワン(イー・スー)47ワン(スー・チー)
25ワン(リャン・ウー)(ウー・パー)
36ワン(サブ・ロー)69ワン(ロー・キュウ)
のこととなります。麻雀を少しでもしていると、イースーチー・リャンウーパー・サブローキュウという語呂を度々耳にすると思うので比較的に簡単に覚えることができると思います。下のイラストのように色を付けるとわかりやすですね。

147ワン
258ワン
369ワン

フリテンとスジ読み

ではどのようにスジから安全牌を予測するのでしょうか?これには麻雀の基本ルールであるフリテンルールを活用した安全牌予測方法となります。フリテンには、【リーチ後のフリテン】や【同順内フリテン】など派生ルールがいくつかありますが、大原則は自分が河に捨てた牌とそれに関わる待ち牌では絶対にロンあがりすることができないというものです。

フリテン369ピン

上の牌姿でいうと待ち牌は369ピンですが、序盤に3ピンを切り捨てているため、3ピンで上がることはできません。さらに3ピンに関わる待ち牌である69ピンでも絶対にロンを宣言することができない訳です。

逆にいうと、他家が捨てた牌とそれに関わる待ち牌では絶対にロンを宣言されることは無い!!ということになりまね。これがスジ読みの基本となります。フリテンって何ぞや??という方は、まずは【初心者泣かせ!フリテン【振聴】のルール】を先に読んでみてください。

スジ読みは完璧ではない

今までの説明で勘が鋭い人ならすぐに気づかれると思いますが、スジとはリャンメン待ちとそれに絡む多面待ちの時に初めて機能します。例えば以下の牌姿では序盤で4ソウを切り出している7ソウ待ちです。

スジひっかけカンチャン待ち

4ソウのスジにあたる牌は、7ソウですね。なのでスジ読みをするならば、7ソウは安全牌になりますが、この場合7ソウを捨てるとロンを宣言されてしまいます。

フリテンのルールを思い出してほしいのですが、フリテンは捨て牌とそれに関わる待ち牌でロンをすることができないというものです。現物である4ソウでは当然ロンあがりはできません。さて、ここで7ソウ4ソウに関わる待ち牌でしょうか・・・・・?まったく関係ありませんよね。そのため、この場合7ソウ4ソウのスジ牌ではありますがロンを宣言されてしまいます。まだまだあります。

スジひっかけペンチャン待ち

上の牌姿では6ピンを捨てての3ピンのペンチャン待ちです。6ピンのスジ牌は3ピン9ピンですが、和了牌であるペンチャン待ちの3ピン6ピンと関わっていないためフリテンは適用されず3ピンを打牌するとロンされてしまいます。

スジひっかけ単騎待ち

上の牌姿は、スジ読みが効かない単騎待ちの牌姿となります。5ワンを序盤で切り捨てているので、スジ牌を読むなら2ワン8ワンがスジ牌なので比較的安全な牌となるはずですが、待ちの形がリャンメン待ちではなく、単騎待ちとなっているためフリテンにはならず、8ワンでロンを宣言されてしまいます。

スジひっかけシャンポン待ち

最後はシャンポン待ちです。先ほどの単騎待ちと全く同じですが、5ワンを序盤で切り捨てているので、スジ牌を読むなら2ワン8ワンがスジ牌なので比較的安全な牌となるはずですが、待ちの形がリャンメン待ちではなく、シャンポン待ちとなっているためフリテンにはならず、2ワンもしくは8ワンでロンを宣言されてしまいます。

どれも、スジ読みで安全牌を見つけ出すことはできません。スジ読みはあくまで、テンパイ者がリャンメン待ちで構えていると仮定した安全牌の予測方法であると覚えておく必要があります。

なぜスジを読むのか?

麻雀には【リャンメン待ち】【カンチャン待ち】【ペンチャン待ち】【シャンポン待ち】【単騎待ち】と様々な待ちがありますが、この中でスジ読みが適用されれるのはリャンメン待ちだけです。漠然と考えてしまうと、5つの待ちのうちのたった1つの待ちにしか当てはまらない読みであればスジ読みはそれほど重要度が高くないような気がしますが、実はそうではありません。

何故かというと、リャンメン待ちはこれら5種の待ち中で一番上がれる確率が高い待ちであり、牌姿や点数・ドラ数様々な要因は置いといて、基本的には誰もがリャンメン待ちのテンパイに持っていこうと打牌していくからです。

下記の牌姿は左から順番にペンチャン待ち・カンチャン待ち・リャンメン待ちとなっています。

ペンチャンカンチャンリャン

数えたらすぐわかりますが、麻雀は同一柄の牌が各4枚存在するので、ペンチャン待ち・カンチャン待ちは待ち牌の数は4枚ですが、リャンメン待ちはその倍である8枚もの待ち牌があることがわかると思います。

詳しくは、【【待ち】の種類を覚える】で触れていますが、シャンポン待ちは4枚、単騎待ちは他家の意表を付きやすいものの自身が和了牌を1枚使用しているため、待ち牌は残り3枚しかありません。

また、【狙え!メンタンピン!】で詳しく紹介している通り、リャンメン待ちでテンパイを構えるのは麻雀の基本戦術で和了率が非常に高いです。これはスジ読みされることを踏まえて考えても同じことが言えます。

そのため、数あるテンパイの形でリャンメン待ちは比較的出現率が高く待ちの種類が他に多くてもスジ読みは非常に有効な安全牌の予測方法となるのです。・・・・が逆の考え方もあります。それが【スジひっかけ】と言われるものです。

戦術!?スジひっかけは卑怯??

上で少し触れているように、スジ読みはリャンメン待ちにのみ効果がある安全牌の予測方法です。

スジひっかけカンチャン待ち

先程紹介した牌姿と全く同じものですが、4ソウを切り出して、カンチャンである7ソウ待ち。上記では摸打の成り行きでカンチャンの7ソウ待ちになっている体で話を進めましたが、あえてこの形で待つ場合があり、このような待ち方を【スジひっかけ】といいます。

この戦略はもちろん、スジ読みばかりをしいるプレイヤーに有効な手法で、局終盤の場が煮詰まっている場合、リーチをかけて「一発」で上がれる場合も案外あります。ただしこの「スジひっかけ」を卑怯と捕らえ、ごくごく少数ではありますがこれをよく思わないプレイヤーもいてるのも事実です。グループ全体が良しとしない場合は周りに合わせて打牌するようにした方が良いかもしれません。
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スジ(筋)の種類

スジは数牌の1~9の場所によって呼び方が【表スジ】【中スジ】【片スジ】の3種に分かれるので紹介しておきます。

表スジ

表スジとは、4ワン5ワン6ワンの3つの数牌を中心に考えたスジのことを言います。

具体的には
4ワンに対する1ワン7ワン
5ワンに対する2ワン8ワン
6ワンに対する3ワン9ワン
の事を指し、1つの数牌で2つのスジ牌と関係を持ちます。

あくまでテンパイ者がリャンメン待ちで構えていると仮定した場合の話になりますが、フリテンのルールがあるので、
4ワンを打牌していれば1ワン7ワン
5ワンを打牌していれば2ワン8ワン
6ワンを打牌していれば3ワン9ワンでロンを宣言するこは絶対にできません。もしロンを宣言してしまうとフリテンロンでチョンボとなり満貫罰符とするのが一般的です。

中スジ

中スジはその名の通り数牌の中(中心付近)の安全牌よ読むスジのことで、表スジと真逆の考え方になるスジのことを言います。具体的に言うと、
1ピン7ピンを打牌した時の4ピン
2ピン8ピンを打牌した時の5ピン
3ピン9ピンを打牌した時の6ピンとなります。

表スジの時は1枚の牌で2枚のスジ牌が読めましたが、全く逆の考えをする中スジは外側の2つのスジ牌が打牌されて、初めて中心のスジ牌が読めることになります。

片スジ

中スジは外側の2つのスジ牌が打牌されている時の中心にあるスジ牌との関係を指していましたが、片スジは中スジとは違い外側どちらが一方のスジ牌しか打牌されていない場合の中側にあるスジ牌との関係を指します。具体的に言うと
しか打牌されていない時の4ソウ
しか打牌されていない時の5ソウ
3ソウしか打牌されていない時の6ソウ

また、

7ソウしか打牌されていない時の4ソウ
8ソウしか打牌されていない時の5ソウ
9ソウしか打牌されていない時の6ソウ等のことを言います。

片スジは表スジと中スジと比べると安全牌を読むスジ牌として信頼度がかなり落ちます。例えば、2ソウの片スジは5ソウになる訳ですが、これは、テンパイ者が34ソウのリャンメン待ちで25ソウ待ちで構えていることが前提となってきます。ですが、テンパイ者が67ソウ58ソウで待っている可能性があり、その場合の5ソウはフリテンにはならないので、うかつに切り出してしまうとロンを宣言されてしまいます。

現物や表スジ・中スジが見当たらず、その他にも安全牌を読む方法が全くないような場合以外は片スジでの読みは控えた方がよいでしょう。もちろん闇雲に、危険牌をガンガン切り出すくらいなら片スジを活用した方が放銃率は下がります。

壁(カベ/ノーチャンス)

麻雀で使用する牌は全ての種類の牌が各4枚存在します。カベは別名ノーチャンスとも言い場に見えている(同種同数の)4枚の数牌からリャンメン待ちに対する安全牌を予測することが可能です。また、カベは表スジや中スジとは違いカベになる数牌の位置でカンチャン待ちやペンチャン待ちまで潰すことができ、他の安全牌予測方法よりも優れてると言えます。

7種の壁とカベスジ

詳しく解説する前にまずは結論から。下の牌姿が壁とカベスジの全てです。

壁とカベスジ一覧

壁の考え方は特定の同じ数牌が4枚場に見えている時にリャンメン待ちができるかどうか・・・・という考えからきています。では詳しく見ていきたいと思います。

ちなみに、場に見えている牌というのは何も自分の手牌に入っている牌だけのことを指しているわけではありません。河に捨てられた牌や、ドラ表示牌、ポンやチーなどの副露された牌などいろいろな場面で場に晒されます。カンに至っては、一鳴きで壁(ノーチャンス)が完成することになります。自身の手牌対子や暗刻があると壁を見つけやすいと思うので集中して場に晒さられた牌を観察してみてください。

壁1
壁1

壁1は2ピンが場に4枚見えている時のカベスジは1ピンであることを示しています。当然と言えば当然ですが、2ピンが4枚全て見えているということは、他家は2ピンを手牌に入れることができないということにります。

1ピンをリャンメン待ちで構えようとすると23ピンの形しか無いのですが、場に2ピン4枚見えていることで、他家のリャンメン待ちの可能性が100%無くなっています。そのため、1ピンはリャンメン待ちができない比較的安全な牌よ予測できることになります。

壁2
壁2

壁2は3ピンが場に4枚見えている時のカベスジが1ピン2ピンであることを示しています。

1ピンがリャンメン待ちで構えられるのは、23ピンとなり、2ピンがリャンメン待ちで構えることができるのは34ピンだけです。

ですが、3ピンすでに4枚とも死んでいるので、1ピン2ピン共に他家のリャンメン待ちの可能性は100%無くなります。

さらに、3ピンがなくなることで、13ピンカンチャンカンチャン待ちも不可としています。

壁3
壁3

壁3は4ピンが4枚全て見えていることで、2ピン3ピンがカベスジであることを示しています。

まず2ピンのリャンメン待ちは34ピンとなります。次に3ピンのリャンメン待ちは45ピンとなる訳ですが、どちらも4ピンが4枚とも場に出ている為2ピン3ピン共にリャンメン待ちで構えることができないので、比較的安全な牌と予測できます。

また、4ピンが他家の手牌に100%入っていないので、24ピンカンチャンのカンチャン待ちも理論上不可能となっています。

壁4

壁4は5ピンが場に4枚見えている時のカベスジが3ピン7ピンがカベスジであることを示しています。

まず3ピンをリャンメン待ちで構えようとする場合は45ピンの形になる必要があり、また、7ピンをリャンメン待ちで構えようとすると、56ピンの形になる必要がありますが、4枚全ての5ピンが場に見えていることで、他家がこれらのリャンメン待ちで構えている可能性は100%無くなっています。

壁567
壁567

壁567は壁123と数字が違うだけで内容がまったく同じなので、説明は割愛させていただきます。

まとめ

このように、他家がリャンメン待ちをしていることが前提となってきますが、スジ牌を利用することで安全牌を予測することが可能になり麻雀の守備力がかなりUPします。

「相手がリーチを宣言しているけど、自身の手牌が良いので降りたくない」場面なんていくらでも遭遇します。現物不要が無いなら不要なスジ牌を切り捨てて勝負すると良いでしょう。