前回、【スジ牌から安全牌を読む】ではスジとカベの基本からリャンメン待ちで構えるテンパイ者から安全牌を読む方法を紹介しました。ここでは、壁スジの応用でさらにその先の安全牌を読む方法紹介していきます。

【壁スジの応用とその守備力】もくじ

壁スジのおさらい

壁スジは自分の手牌にある同種同数の2~8の数牌と、場に晒された2~8の数牌の合計が4枚になるとことで機能する安全牌を予測する守備方法となります。

例えば、自分の手牌に3ピンが2枚。そして他家から合計2枚の3ピンが河に捨てられているとします。この時点で3ピンは4枚共に使用されていて、なおかつ3ピンを使用できるのは自分自身のみ。他家は和了牌に3ピンを絡めることができないことがわかると思います。

ここから読めるのは1ピン2ピンを和了牌としたリャンメン待ちは絶対にあり得ないということです。

1ピンをリャンメン待ちで構えようとすると、23ピンの形にする必要がありますが、すでに3ピンが死んでいるのでこの形で構えることができません。

続いて、2ピンについてですが、2ピンをリャンメン待ちで構えようとすると、34ピンの形にする必要がありますが、先程と同じ理由ですでに3ピンが4枚とも死んでいるのでこの形で構えることができません。そのため、1ピン2ピンはリャンメン待ちで構えることができない比較的安全な牌と言えます。

これをまとめると、下記のようになります。

壁とカベスジ一覧

以前【壁(カベ/ノーチャンス)】でも紹介しているので、よければそちらの記事も読んでいただけたらと思います。

ワンチャンス【カベにならないカベ】

自分自身の手牌と場に晒された2~8の数牌で同種・同数の牌が4枚見えていれば、その牌がカベ牌となりそこからカベスジの牌が見えてきます。カベスジの牌でのリャンメン待ちは絶対にできないので、リャンメン待ちに対してのチャンスが無いということで壁の事をノーチャンスと言います。

これに対してワンチャンスは自分自身の手牌と場に晒された2~8の数牌で同種・同数の牌が3枚見えている時のことを言います。

同種・同数の牌が4枚見えている壁と比べると守備力は落ちます。ただし、必ずしもテンパイ者が4枚目のカベ牌を所有しているわけではありません。むしろ麻雀は4人で遊ぶゲームなので、所有していない可能性の方が高いです。さらに言うと、王牌に隠れ、絶対にツモれない場所に配置されている可能性もあります。

壁スジやその他のスジ牌が見つからないのであれば、ワンチャンスを探ってみると良いでしょう。ワンチャンスは手牌にチュンチャンパイの暗刻があるだけで確定しますし、誰かがチュンチャンパイをポンと一鳴きするだけでもできます。また自分自身に対子があれば局の序盤からでも十分ワンチャンスを見つけることができる可能性があります。

ダブルワンチャンス

その名の通りワンチャンスが二つ重なる箇所の事を言い、ノーチャンスと比べると守備力が少し落ちますが、かなりの高確率でリャンメン待ちを防ぐことができます。さらに同種・同数の4枚のチュンチャンパイが見えている壁の時には読むことができなかった、【単騎待ち】や【シャンポン待ち】も読むことができる部分もあるので詳しく見ていきましょう。

ダブルワンチャンス.1

ダブルワンチャンス1

2ピンのカベスジは1ピンですが、2ピンが3枚しか見えていない場合はワンチャンスとなり1ピンのリャンメン待ちの可能性が少し残ります。

ですがここにさらに、3ピンのワンチャンスが加わることでダブルワンチャンスとなり、1ピンのリャンメン待ちの可能性がかなり低くなります。

これは、麻雀は4人で遊ぶゲームなので、1ピンのリャンメン待ちに必要な、場に見えていない残り各1枚づつの2ピン3ピンを一人のテンパイ者がが都合よく所持している可能性はかなり低いというところから来ています。

さらに3ピンのワンチャンスとなる2ピンは、すでに3枚見えているので、2ピンの【単騎待ち】や【シャンポンん待ち】の可能性も潰しています。

ダブルワンチャンス.2

ダブルワンチャンス2

先程と同じ理屈で3ピン4ピンの共通のワンチャンス牌である2ピンは、ダブルワンチャンス牌となりリャンメン待ちの可能性はかなり低くなります。1ピンはワンチャンス牌となり、3ピンはワンチャンス牌であると同時にすでに場に3枚の3ピンが見えているので、【単騎待ち】や【シャンポンん待ち】ができない守備力の高い牌となります。

ダブルワンチャンス.3

ダブルワンチャンス3

4ピン5ピンが各3枚見えている場合は、共通のワンチャンス牌である3ピンのリャンメン待ちの可能性がかなり低くなります。

2ピン4ピンのみのワンチャンス牌となるため、多少危険ですが、他に安全牌を予測する情報が全くないようなら捨て牌の候補に入れて良いでしょう。

ここで注意しておきたいのが、4ピンです。4ピンは位置的にカベスジ牌にはなりません。具体的にいうと他家が23ピンの形で構えている可能性があるので注意が必要です。

ただし、すでに3枚場に見えていることで、【単騎待ち】や【シャンポン待ち】の可能性はありません。

ダブルワンチャンス.4

ダブルワンチャンス4

ここからは、数字が反転するだけです。5ピン6ピンが各3枚見えている時は、共通のワンチャンスでダブルワンチャンスの牌となる、7ピンはリャンメン待ちの可能性がかなり低く、安全牌である可能性があります。そして8ピン6ピンから見た時のワンチャンスの牌となります。

先ほどの【ダブルワンチャンス.3】でも少し触れましたが、チュンチャンパイのど真ん中の3つの牌、つまり4ピン5ピン6ピンには、位置的にカベスジの牌にはなりません。そのため、6ピンはすでに3枚見えているので、【単騎待ち】や【シャンポン待ち】の可能性はありませんが、リャンメン待ちの可能性があるため、切り出す場合は注意が必要となります。

ダブルワンチャンス.5

ダブルワンチャンス5

6ピン7ピンが各3枚見えている時は共通のワンチャンス牌の8ピンがダブルワンチャンスの牌となり他家がリャンメン待ちで待っている可能性かなり低くなります。

9ピン7ピンのワンチャンスの牌となりリャンメン待ちの可能性がありやや危険。7ピンも同じく6ピンのワンチャンスの牌となりますが、7ピンはすでに3枚見えているので【単騎待ち】【シャンポン待ち】の可能性が無く、9ピンと比較すると守備力の高い牌と言えます。

ダブルワンチャンス.6

ダブルワンチャンス6

7ピン8ピンが各3枚見えている時は、共通のワンチャンス牌となる9ピンがダブルワンチャンス牌となり、他家がリャンメン待ちで構えている可能性がかなり低くなります。

8ピン7ピンのワンチャンス牌であると共に、すでに3枚見えているので、【単価待ち】【シャンポン待ち】の可能性がゼロなので、通常のワンチャンスの牌より防御力の高い牌と言えます。

ダブルノーチャンス

ダブルノーチャンスは、その名の通り同じ種類の数牌で壁が中一つ飛ばし、もしくは中二つ飛ばしで機能する壁のことで、壁ができる場所によって一種類の数牌の全てのリャンメン待ちの可能性が極端に低くなります。例えば以下の牌姿です。

ダブルノーチャンス

今までのおさらいになりますが、まず3ピンが4枚全て見えているので、23ピン34ピンの搭子を作ることができません。結果1ピン2ピンを和了牌とするリャンメン待ちの可能性がなくなります。さらに、2ピンについては、すでに3ピンが死んでいるのでカンチャン待ちもできない状況ですね。

次に6ピンのカベについてですが、6ピンが4枚見えていることでリャンメン待ちで6ピンを必ず必要とする、7ピン8ピンのリャンメン待ちを防ぐとともに、7ピンについては、6ピンが死んでいるので、カンチャン待ちもできない状況です。

さらに、さらに!3ピン6ピンの壁が同時に出来たことで間に挟まれている4ピン5ピンのリャンメン待ちとカンチャン待ちも防ぎます。

今回の牌姿の場合、9ピン以外の全てのリャンメン待ちの可能性が断たれていることになります。

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壁と捨て牌の複合で防げるリャンメン待ち

次は、壁と通常のスジで安全牌を予測する方法を紹介していきます。初めに注意しておきたいのが、壁はプレイヤー全員に共通したスジ読みになりますが、壁と捨て牌の複合での読みはスジ牌を打牌したプレイヤーのみに有効となるスジ読みとなります。まずは一覧を紹介。

壁とスジの複合7種

では詳しく見ていきたいと思います。

2ソウのカベで7ソウの捨て牌がある場合

壁とスジの複合1

上の牌姿は2ソウが既に4枚見えている時に他家が7ソウを打牌した場合、7ソウを打牌したプレイヤーは4ソウをリャンメン待ちで構えることができないことを示しています。

通常7ソウからのスジ読みをするなら、14ソウの待ちも警戒する必要がありますが、既に2ソウが4枚とも死んでいる為2ソウ3ソウの搭子が作れません。そのため、14ソウの待ちはありえません。結果4ソウのリャンメン待ちの可能性が完全になくなっています。

3ソウのカベで78ソウの捨て牌がある場合

壁とスジの複合2

上の牌姿は3ソウのカベができている場合で、7ソウ8ソウが打牌されていると、それを打牌したプレイヤーは4ソウ5ソウのリャンメン待ちができないことを示しています。

通常、7ソウの打牌があれば、14ソウのリャンメン待ちの可能性を、8ソウが打牌されたら25ソウの待ちも警戒する必要がありますが、3ソウが4枚とも死んでいるため、2ソウ3ソウの搭子そして、3ソウ4ソウの搭子ができません。そのため、4ソウ5ソウのリャンメン待ちの可能性が消えています。

4ソウのカベで89ソウの捨て牌がある場合

壁とスジの複合3

上の牌姿は4ソウのカベができている時に8ソウ9ソウの打牌があれば、これらを打牌したプレイヤーは5ソウ6ソウでリャンメン待ちができないことを示しています。

通常スジ牌を読む場合、8ソウの打牌があれば、25ソウの待ちを、9ソウの打牌があれば、36ソウの待ちも警戒する必要がありますが、どちらのリャンメン待ちにも必要とされる4ソウが4枚とも死んでいる為、その可能性を潰しています。

その結果、9ソウの打牌で6ソウのリャンメン待ちを、そして、8ソウの打牌で5ソウのリャンメン待ちの可能性が無くなります。

5ソウのカベで19ソウの捨て牌がある場合

壁とスジの複合4

上の牌姿は5ソウのカベが出来ている時に1ソウ9ソウの打牌があれば、これらを打牌したプレイヤーは4ソウ6ソウでリャンメン待ちができないことを示しています。

通常スジを追う場合1ソウの打牌があれば、47ソウの待ちを、そして9ソウの打牌があれば、36ソウの待ちも警戒する必要がありますが、これらの待ちに必要な5ソウが4枚とも死んでいるためその可能性を潰しています。結果、4ソウ6ソウのリャンメン待ちができなくなっています。

6ソウのカベで12ソウの捨て牌がある場合

ここからは、数字が逆転するだけで内容は上記と同じとなります。

壁とスジの複合5

上の牌姿は6ソウのカベが出来ている時に1ソウ2ソウを打牌した場合、これらを打牌したプレイヤーは4ソウ5ソウでリャンメン待ちができないことを示しています。

1ソウのスジ牌は47ソウになりますが、47ソウの待ちに必要な6ソウがすでに枯れています。

また、2ソウのスジ牌は58ソウになりますが、同様に58ソウの待ちを構えるための6ソウがすでに枯れている為これらの待ちの可能性はありえません。そのため、1ソウの捨て牌で4ソウの、2ソウの捨て牌で5ソウのリャンメン待ちができなくなっています。

7ソウのカベで23ソウの捨て牌がある場合

壁とスジの複合6

上の牌姿は、7ソウが壁になっている時に、2ソウの捨て牌があれば、5ソウで、そして3ソウの捨て牌があれば、6ソウでリャンメン待ちができないことを示しています。

通常、2ソウのスジを追うなら、58ソウも警戒する必要があります。また、3ソウの打牌があった場合はの待ちも警戒する必要があります。ですが、58ソウの待ち、そしてのリャンメン待ちに必要な7ソウが4枚共に死んでいるのでリャンメン待ちを構えることができません。

そのため、2ソウを打牌したプレイヤーは5ソウで、そして3ソウを打牌したプレイヤーは6ソウでリャンメン待ちを構えることができません。

8ソウのカベで3ソウの捨て牌がある場合

壁とスジの複合7

上の牌姿は8ソウの壁がある時に3ソウを打牌したプレイヤーは6ソウでのリャンメン待ちができないことを示しています。

通常3ソウの捨て牌があったとしても、69ソウのリャンメン待ちがあるため、6ソウは迂闊に切り出すことはできません。

しかし8ソウのカベが出来上がっていることで69ソウの待ちはできなくなっています。そのため、3ソウを打牌したプレイヤーは6ソウでのリャンメン待ちの可能性が無くなっています。

まとめ

このように、1つカベができれば、その応用で様々な安全牌の可能性のあるスジ牌を見つけることができるので、自分の手牌と河をよく観察して3~4枚見えているチュンチャンパイを見つけてみてください。きっと麻雀の守備力がUPするはずです。

ただし、くどいようですがスジ読みはリャンメン待ちに対応した安全牌予測方法となります。一部のカベやカベの複合等で【カンチャン待ち】【ペンチャン待ち】【シャンポン待ち】【単騎待ち】を防げる場合もありますが、予測しきれない場合がほとんどです。特に終盤になって1枚も出ていない牌があれば、それはスジ牌であっても危険牌の場合が多く注意が必要です。