麻雀は4人に持ち点が割り振られ、和了できなかった(あがれなかった)者から和了できた者へ点数を授受し最終的な点数の合計を競うゲームです。もちろん放銃(振り込み)してしまうと、その傷は深くなり和了者がツモ上がりや他家が放銃すると傷は浅くなります。

そのため、他家がテンパイしている(、もしくはテンパイしている可能性がある場合)3種の決断が必要になってきます。

3種の決断
  1. 放銃してしまう可能性があったとしても和了に向けて一直線で不要牌をガンガン切り出していく【ゼンツッパ】
  2. できるだけ危険牌をさけつつも和了にむけて慎重に打牌していく【まわし打ち】
  3. そして、絶対に上がることが不可能、もしくは和了時の点数等を考慮して完全に和了することをあきらめ放銃しない牌を最優先に切り出す【ベタオリ】

ここでは、【ベタオリの手順】を中心に【まわし打ち】と【ゼンツッパ】についてまとめています。

【ベタオリの手順とまわし打ちとゼンツッパについて】もくじ

他家のテンパイ(可能性)の判断基準

【ゼンツッパ】するにしても【まわし打ち】するにしても【ベタオリ】するにしても、前提条件として他家がテンパイしていること(もしくはその可能性)を予想する必要があります。ここの判断を見誤ると大きく勝率を下げることになります。

麻雀を打ち続けていると、気にしなくても他家のテンパイをおおよそで察知することができます。これは、今まで放銃してきた数多くの経験と知識からくるものですが、初心者にはなかなか難しい部分になってきますので、ここでは基本的な他家のテンパイを予測する方法を紹介しておきます。

立直(リーチ)

これは、麻雀の経験がほとんどなくても確実に他家のテンパイを知ることができます。

立直(リーチ)

立直とは上の牌姿のように、自身のテンパイを宣言することで確定する1翻の役となります。麻雀は和了する(あがる)ためには1翻以上の役を確定させる必要があるため、役が確定していない場合はテンパイしていてもロンあがりすることができません。テンパイさえしていればリーチを宣言することができるので、役が無い場合はリーチをすることでロンあがりが可能となります。

自身のテンパイを他家に知らせることは非常に不利となりますが、その恩恵は大きく1翻の役が確定する他にも、副産物としてさらにプラスアルファ1翻の役である【一発】が付く可能性、さらにドラ表示牌の直ぐ下にある【裏ドラ表示牌】を開示する権利を得られます。立直については、初心者即リー【立直(リーチ)】のススメ!!で詳しく紹介しています。

【立直(リーチ)=テンパイ】となる為、リーチがかかると自分の手を進めるか諦めるか、危険牌の打牌を極力避けながら和了に向かうかを決める必要があります。

中盤以降の2副露・終盤の1副露

麻雀は配牌時に3シャンテン~4シャンテンになっていることが最も多いです。これはつま有効牌が4~5枚ツモることで和了できることを意味します。麻雀の基本の和了形は4面子1雀頭です。もちろん配牌時に面子や雀頭がある程度揃っている可能性もあります。

このような状態で中盤以降で2回以上の鳴き(ポン・チー・カン)が入っているとテンパイの可能性を疑う必要があります。もちろん中盤以降の1副露でもテンパイしている可能性も否定はできませんが、とりあえず麻雀初心者は中盤以降の2副露をテンパイの目安にするとよいでしょう。

2副露

極端な例ですが、上の牌姿は東家が中盤終了時点で發中の2つを鳴いています。・・・嫌な予感がしますよね。もちろん大三元の役満も怖いですが、發中を鳴いている時点で4面子のうち2面子が既に確定しています。中盤以降なら伏せられた7枚の牌で他の面子が完成している可能性があるのが容易に想像できると思います。

上記と同じ理由で終盤の1副露も警戒する必要があります。当たり前ですが、終盤になると自身がツモできる回数が少なくなってきます。残りのツモ数を考えると和了もしくは形式テンパイするために、他家の牌が必要なる場面が多くなり、終盤に1副露入るケースも少なくありません。こういった場合も聴牌に要注意です。

中盤・終盤で切り捨てられた初めての種類の数牌

中盤・終盤で切り捨てられた初めての種類の数牌もテンパイのサインの可能性があります。

テンパイの予測

東家の捨て牌をみてみると捨て牌がかなり偏っているのがわかると思います。中盤も終わりに近づき初めてワンズである4ワンが切り出されています。つまり東家は今までワンズを集め面子に不要になったワンズを切り出した可能性が高いと言えます。

この河に捨てられた捨て牌から予測しやすい東家の役は、混一色(ホンイツ/ホンイーソー)清一色(チンイツ/チンイーソー)となり、字牌が枯渇している場合は清一色(チンイツ/チンイーソー)が濃厚になってきます。もちろんこれらの役になっていない可能性もありますが、待ちがワンズになっている可能性は高く巡目からもテンパイしている(もしくはテンパイ間近の)可能性が高いと言えます。

序盤・中盤からチュンチャンパイが多く切り出されている

チュンチャンパイ(2~9の数牌)、特に4・5・6が序盤・中盤から多く切り出されている場合もテンパイしている可能性があります。これらの牌は、麻雀の基本の役であるタンヤオに必要な牌で、なおかつ他の面子と繋がりやすいので一般的に局の中盤・終盤まで切り出されないことが多い牌です。

そのチュンチャンパイが序盤から多く切り出される場合に予測される手役は、1・9字牌を多く使用する国士無双(こくしむそう)混全帯么九(チャンタ/ホンチャンタイヤオチュウ)系の役があげられます。

ただしもう一つの可能性として、すでにテンパイしていて(もしくはテンパイ間近で)チュンチャンパイが不要になっている可能性を疑う必要があります。

他にも他家のテンパイを疑う要素はたくさんありますが、麻雀初心者はとりあえず上記の内容を注意しておくと良いです。当たり前のことになりますが、局が終盤に向かうにつれて当然テンパイ率は高くなるので、局が進むにつれてテンパイに注意が必要です。

ベタオリとは?

ベタオリとは【和了すること(あがること)を完全に諦め勝負を降りる】ことのことを指します。もちろん目的は和了を諦めているので放銃しないこととなります。もちろんツモ上がりをされ、その分に見合った点数の移動は覚悟する必要がありますが、場合によっては他家が振り込み点数の移動を回避できる場合もあります。

【おりる技術】と【あがる技術】の重要性

麻雀は4人で一局一局一人の和了者を決めていくゲームなので、4人の実力にそれほど差がなければ基本的に和了できることより和了できないことのほうがが圧倒的に多くなるゲームです。仮の話になってしいまいますが、4人の実力がまったく同じだったとすれば、上がれる確率は25%そして上がれない確率は75%にもなります。

ここでとても大事になってくるのが【おりる技術】です。麻雀は運要素を多分に含むゲームなのでツモさえよければ、局単位で言うと初心者が上級者に勝ることもありますが、継続的にそれを続けることは絶対に不可能です。ここで大きく初心者と上級者の実力差が大きく出てしまうのが、放銃(振り込み)回避率となります。

もちろんどれだけ効率良く和了に向かうかという牌効率の知識も重要ですが、麻雀はその性質上、和了できないことの方が多いゲームとなる為、【おりる技術】は【あがる技術】よりもはるかに重要になってくる訳です。

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ベタオリをする時の10の手順

勝負を完全におりる、つまりベタオリする場合には手順があります。和了に向かう【ゼンツッパ】や【まわし打ち】はその場の状況に応じて切り捨てる牌は変化しますが、ベタオリの場合大きくその手順が変わることがありません。

1)合わせ打ち 安全牌危険牌矢印
2)37の壁スジである28の4枚目
3)4枚目の字牌
4)23・78の壁スジである19の4枚目
5)リーチ(テンパイ)者の現物
6)46の表スジである19の4枚目
7)3枚目の字牌
8)壁スジとスジ(表スジ・中スジ)【外側から順に】
9)ワンチャンス【外側から順に】
10)無スジ【外側から順に】

基本的にベタオリする時は安全な①から危険度の増す⑩に向かって順に切り出していけばOKです。では細かく見ていきたいと思います。

1)合わせ打ち

合わせ打ちとは、同巡内で上家が捨てた牌と全く同じ牌を切り捨てることを言います。この合わせ打ちで打牌できる牌は同巡内において最も安全な牌で絶対にロンを宣言することができません。

合わせ打ち

例えば、上の牌姿は東家の12巡目で局も終盤になりだいぶ手役も煮詰まています。ここで東家が役に不要なドラの3ピンを引き当ててしまいました。

この局面で無スジの他家がいたり、生牌だったりすると3ピンは切り辛い牌です。ですが上家が3ピンを打牌して通っているので、ドラ3ピンがこの12巡目だけ絶対にロンされることのない安全牌となります。これは、麻雀の基本ルールである同巡内フリテンが適用されるからです。

フリテンと同巡内(同順内)フリテン

フリテンとは「自分自身で切り捨てた牌とそれに関わる待ちでロンを宣言することができない。」という麻雀の基本的なルールとなります。フリテンについては初心者泣かせ!フリテン【振聴】のルールで詳しく紹介しています。

フリテン369ピン

上の牌姿は東家が369ピンの三面張ですが2巡目に3ピンを捨てている為、フリテンで3ピンでロンできないことはもちろん、関連する待ちである、69ピンでもロンを宣言することはできません。

次に同巡内フリテンについてですが、「フリテンは自分自身の捨て牌とそれにかかわる牌でロンを宣言できない。」というものでしたが、これに対して同巡内フリテンとは、「同巡内であれば他家の捨て牌でも一度見逃してしまうとロンを宣言することができないというものになります。

合わせ打ち

上の牌姿を例にあげると、11巡目北家の3ピン打牌で南家・西家がロンを宣言しなかったことにより、南家は南家の、西家は西家の次のツモ番が終わるまで同巡内フリテンにより3ピンでロンを宣言することがでません。つまり、12巡目で不要牌であるドラ3ピンを引き当てた東家が3ピンを切り出しても絶対にロンを宣言されることはないのです。

ただしその名前が指し示す通り、同巡内フリテンは1順しか適用されません。そのため13巡目で再び東家が3ピンを切り出すと、南家・西家にロンされる可能性があります。つまり同巡内フリテンを利用した【合わせ打ち】はその巡目だけしか通らない可能性がある牌となり、ベタオリするのであれば将来危険になる可能性になる牌で今すぐ切り捨てる牌になります。

ちなみに少し話は脱線してしまいますが、上の牌姿は【中・ホンイツ】の親の満貫以上が確定している58ソウ待ちです。この手役でベタオリはまずありえません。多少危険でも和了に向かうべき手となります。

2)37の壁スジである28の4枚目

【37の壁スジである28の4枚目】は条件が整うことが少ないですが、条件が整えば全体にロンすることができない完全な安全牌となります。

壁スジのおさらい

壁スジとは自分から同じ4枚の数牌が(自身の手牌や河に捨てられた牌などで)見えている時に機能するスジ読みの方法となります。壁スジについては、スジ牌から安全牌を読むで詳しく紹介しています。

壁とカベスジ一覧

壁スジは上のイラストのように全部で7種類となります。仕組みは以下の通りです。

例えば、自分から4ピンが4枚見えている場合は、他家が4ピンを使用した(3ピン4ピン4ピン5ピンといった)搭子を作ることができません。

結果的にリャンメン待ちに4ピンを必ず必要とす2ピン3ピンでのリャンメン待ちは物理的に不可となるため、2ピン3ピンは比較的安全な牌と言えるわけです。これがカベスジのメカニズムです。

壁スジが必ず通る安全牌になる条件

先程紹介した壁スジはただのスジ読みなので、リャンメン待ちは防げてもその他の待ちである、ペンチャン待ち・カンチャン待ち・シャンポン待ち・単騎待ちの可能性が残ってしまいます。ここで追加条件として必要になったくるのが、今切り出そうとしているカベスジ牌が4枚目になっているということです。

先程上げた例でいうと4ピンのカベが完成している場合、3ピン2ピンはリャンメン待ちができない比較的安全な牌となります。

例えば、この時2ピンが手牌と場に計3枚見えていて、今切り出そうとしている2ピンが4枚であることが分かっている場合、2ピンの単騎待ちやシャンポン待ちが消えさらに安全度が増す牌となります。この条件の場合2ピンのカンチャン待ちの可能性だけが残ることになります。

次に、4ピンのカベスジ牌で切り出そうとしている3ピンが4枚目の場合、リャンメン待ちやシャンポン待ちそして4ピンが枯渇しているため、カンチャン待ちが消え、可能性としてペンチャン待ちだけが残ることになります。どちらの場合も安全度はかなり高いものの完全な安全牌になりませんでした。

ここで完全な安全牌になるのが、3ピンの壁スジで4枚目の2ピンそして、7ピンの壁スジで4枚目の8ピンとなります。

壁2

具体的に見ていきましょう。3ピンのカベつまり、自身の手牌を含めて3ピンが4枚見えている場合、1ピン2ピンをリャンメン待ちで構えることはできません。3ピンが枯渇しているので2ピンでカンチャン待ちもできないので、和了するためには、シャンポンとタンキ待ちの2種類のみとなります。ですが、ここですでに2ピンが2枚見えていればシャンポン待ちの可能性が消え3枚見えていれば、単騎待ちの可能性も消えるということになります。7ピンのカベで8ピンの4枚目が完全安牌になるのも同じ理屈です。

他にもカベスジと4枚目の数牌は応用をきかせることでいくつかの完全安牌を見つけ出すことが可能です。

壁スジ3

例えば、上の牌姿のように47ピンのカベができあっている場合、1ピンを除き全てのピンズでリャンメン待ちを構えることができません。またこのような形で壁が形成された場合、5ピン6ピンのカンチャン待ちができないこともわかると思います。

さらに、上で説明した理屈とおなじで、5ピン6ピンが既それぞれ2枚見えていればシャンポン待ちの可能性が消え、3枚見えていて自身が4枚目を保有しているなら、単騎待ちの可能性も完全に消えて、本来危険牌になりやすい5ピン6ピンが完全な安全牌となります。

3)4枚目の字牌

字牌は数牌ではないので、順子を作ることができません。字牌を待ちにする場合使用できる待ちは【単騎待ち】【シャンポン待ち】の2種類だけです。

同種の牌は4枚しか存在しないので、場にすでに2枚見えているとシャンポン待ちの可能性が消え3枚以上見えていればその字牌は単騎待ちで構えることはできません。

4枚目の打牌で役満の国士無双の可能性だけが残りますが、国士無双の可能性さえ潰れていれば4枚目の字牌は完全に安全な牌と言えます。

4)23・78の壁スジである19の4枚目

2ピン3ピンのカベスジ、4枚目の1ピンや、7ピン8ピンのカベスジ、4枚目9ピンもほぼほぼ安全牌となります。警戒すべきは役満の国士無双(こくしむそう)のみとなります。

23・78のカベスジと安全牌
壁12

2ピンが手牌や河、また副露などで4枚全て見えている場合、23ピンのターツが作ることができません。その為1ピンをリャンメン待ちで構えることができません。また端牌なのでカンチャン待ちもあり得ないので残るはシャンポン待ちと単騎待ちだけが可能性として残ります。

ここで場に見えている1ピンが2枚以上見えていればシャンポン待ちの可能性が消え、3枚以上見えているようなら単騎待ちの可能性が消えます。これは、3ピンのカベができている時にも同じことが言えます。

2)37の壁スジである28の4枚目とほぼ同じ内容ですが、役満の国士無双が上れるかどうかという点が違ってきます。2ピンとは違い、1ピンは4枚目の打牌でも国士無双の可能性が残ります。逆にいうと、国士無双の可能性が完全に消えているようなら、今回の1ピンと、2)37の壁スジである28の4枚目2ピンとでその危険度は変わらないことになります。

5)リーチ(テンパイ)者の現物

ここでようやくリーチ(テンパイ)者が打牌した現物がでてきます。フリテンのルールについては何度もふれている通り、打牌した牌では絶対にロンあがりすることができないという麻雀の基本ルールがあります。これは、麻雀初心者が一番最初に覚えるテンパイ者に対する安全牌ですね。

捨て牌によるフリテン

上の牌姿は東家が47ソウ待ちでテンパイしリーチをかけています。しかし、東家は2巡目で4ソウを打牌しているので、フリテンルールにより4ソウはもちろん、7ソウでもロンあがりすることはできません。(ツモあがりは可能)これは、リーチをかけていなくても(ダマテンでも)同じです。

逆に言うと、南家・西家・北家は、47ソウを打牌しても東家からロンを宣言されることはありません。(宣言すると東家が罰符となり基本ルールでは東家が満貫払いとなります。)

ちなみに牌姿はフリテンリーチをかけていますが、フリテンリーチ自体を禁止するローカルルールを採用しているグループもあるので念のため、局開始前に確認しておくと不要なトラブルを回避できると思います。

6)46の表スジである19の4枚目

一般的にスジと言えば、【表スジ】【中スジ】【片スジ】の3種類になりますが、今回は表スジを利用した安全牌予測方法です。麻雀には基本ルールのフリテンが存在するので自身が捨てた牌とそれに関わる牌でロンあがりすることはできません。「フリテン」は既に何度か話にでてきますが「フリテンって何?」という方は先に、初心者泣かせ!フリテン【振聴】のルールを確認してみてください。

簡単に説明すると23ピンこのように、14ピン待ちをする場合、一度4ピンを捨ててしまっている場合は、4ピンではもちろん、この待ちに関わる1ピンでもロンあがりすることができません。(ツモあがりは可能)これがフリテンの基本的なルールとなります。

麻雀の待ちは【リャンメン待ち】【ペンチャン待ち】【カンチャン待ち】【シャンポン待ち】【単騎待ち】の5種類となります。リーチ(もしくはテンパイ)者23ピンこの形で4ピンを打牌していれば、リャンメン待ちの1ピンでロンあがりできないのは先程説明した通りです。また、1ピンは端牌になるので、ペンチャンやカンチャンの待ちもまずありません。

残りは、シャンポンと単騎待ちだけです。ここで場に見えている1ピンの数が重要になってきます。麻雀牌は同種の牌は各4つなので、自分の手牌と場に合計3枚見えていれば他家がシャンポン待ちしている可能性が、そして自分の手牌を含め4枚見えているようなら単騎待ちも含めほぼ全ての待ちの可能性がつぶれます。これは、他家が6ピン打牌した場合の9ピンにも同じことが言えます。

ただし一つだけ注意しておく必要があるのが、役満の国士無双(こくしむそう)です。国士無双は特殊役で和了の基本形である4面子1雀頭の形にはまりません。そのため、4枚目のヤオチューハイ(1・9・字牌)でもロンされます。国士無双は役満になるので、出現頻度はそれほど高くありませんが、序盤からチュンチャンパイをガンガン切り出している他家がいれば国士無双を狙っている可能性があります。

今回の【6)46の表スジである19の4枚目】の内容は先程紹介した4)23・78の壁スジである19の4枚目とにていますが、4)23・78の壁スジである19の4枚目は壁を利用している為、他のプレイヤー全てに共通する安全牌となりますが、今回の【6)46の表スジである19の4枚目】は4ピン6ピンを打牌したプレイヤーにしか適用されないので注意が必要です。

7)3枚目の字牌

字牌はそもそも数牌と違って面子として順子をつくることができません。字牌でできる牌構成は、雀頭(対子)・刻子・槓子の3種だけとなります。つまり字牌で和了を狙うなら【単騎待ち】か【シャンポン待ち】の2種しか不可能です。

ここで既に切り捨てようとしている字牌が場や手牌に合計3枚見えているなら、待ちは単騎待ちしかありえないということになります。もちろん国士無双の待ちには注意する必要がありますが、それでも3枚目の字牌は比較的安全な牌と言えます。

8)壁スジやスジ(表スジ・中スジ)(外側から順)

次は壁スジとスジとなります。壁スジとスジを同じ項にまとめてしまっていますが、厳密に言うと一般的にスジ(表スジ)よりも壁スジの牌の方が安全牌と言えます。この辺りを簡単にまとめておきます。

壁スジのメカニズム

壁スジは麻雀の牌が各4枚であるということを利用したリャンメン待ちやペンチャン待ち・カンチャン待ちといった順子に対する安全牌を予測する方法となります。

壁3

例えば、イラストのように4ピン手牌と場に合計4枚見えていると仮定します。すると4ピンを必要とする搭子(34ピン45ピン)を作ることが不可能になります。

結果、2ピン3ピンをリャンメン待ちで構えることができなくなります。

さらにいうと、4ピンが枯渇しているなら3ピンをカンチャン待ちで構えることができないので、3ピンはさらに安全な牌であるということが言えます。

スジのメカニズム
147ワン
258ワン
369ワン

スジとは牌姿のように3つ飛ばしの数牌の事を言います。これを切り出すと、14ワン47ワン25ワン58ワン36ワン69ワンとなります。

麻雀にはフリテンと呼ばれる基本ルールがあるため、自分自身が打牌した牌とそれに関わる待ちでロンあがりすることはできません。関わる待ちというのはリャンメン待ち(もしくは多面張)の事を指します。

フリテン369ピン

何度も例に出していますが、上の牌姿は369ピン待ちのテンパイですが、2巡目に3ピンを切り捨てている為3ピンはもちろん69ピンでもロンあがりすることができません。(ツモ上がりは可能です。)

壁スジとスジ(表スジ・中スジ)との大きな違い

壁スジとスジ(表スジ・中スジ)どちらもスジであり、安全牌を予測するのに必要な情報になってくるのですが、この2つには大きな違いがあります。

まずは、スジ(表スジ・中スジ)についてですが、スジ(表スジ・中スジ)は麻雀の基本ルールフリテンを利用して、リーチ(テンパイ)者の捨て牌からリャンメン待ちの可能性を回避しつつ打牌していくテクニックとなります。

つまりこれは特定のプレイヤーの打牌からのみ安全牌を予測する方法となります。仮に自身が東家だったとして南家が立直をかけてきたとしましょう。その時仮に南家の現物やスジ牌を切り出して南家には通ったとしても西家・北家に放銃してしまう可能性があるというわけです。

麻雀は4人でするゲームなので、終盤に向かうにつれてテンパイ者が増えてきます。4人全員がテンパイになっていことも珍しくありません。ですので、終盤になればなるほど、テンパイを宣言しているプレイヤー(リーチ)以外の他家のダマテンにも注意していく必要があります。

次に壁スジについてですが、壁スジは1種の数牌4枚使用するスジとなります。これは1種の数牌4枚全てが完全に枯渇することを意味するので、特定のプレイヤーではなく他のプレイヤー全てに共通するスジとなります。そのためダマテンにも放銃しにくいスジと言えます。

また、2ピン3ピン7ピン8ピンのカベスジはリャンメン待ちの可能性を潰してくれるとともに、ペンチャン待ちやカンチャンまちの可能性も消してくれます。

このように、壁スジはスジ(表スジ・中スジ)よりも守備力が高いスジ読みとなるので、完全に勝負を降りるなら、スジ(表スジ・中スジ)よりもカベスジを先に切り出すようにしましょう。

9)ワンチャンス【外側から順に】

壁スジやスジ(表スジ・中スジ)が見当たらない場合は、壁にならなかった壁であるワンチャンスを探っていきましょう。

ノーチャンスとワンチャンス

2~8の同種の数牌が4枚見えた時点でカベが成立します。同種の数牌が4枚全て見えることで他家は、その数牌を利用した搭子をつくることができず特定の牌でリャンメン待ちをすることができなくなります。このことをリャンメン待ちの可能性が無い。つもりノーチャンスと言います。

これとは違いワンチャンスとは、2~8の同種・同数の数牌が3枚見ている場合に用いる言葉となっています。自身の捨て牌と場に見えている同種同数の数牌が3枚だけしか見えてない場合、テンパイ者が最後の1枚を所持していてリャンメン待ちで構えている可能性があります。

逆にいうと、テンパイ者が都合よく4枚目の数牌を持っていない限り、連動する壁スジ牌でリャンメン待ちをロンを宣言されることはありません。

麻雀は4人で行うゲームなので、テンパイ者が都合よくワンチャンスの最後の1枚の牌を所持している可能性はそれほど高くありません。場合によっては、4枚目が王牌に入っていて同種同数の牌が3枚見えた時点で実質ノーチャンスになるケースももちろんあります。

壁スジやスジ(表スジ・中スジ)のように完全にリャンメン待ちを防ぐことはできませんが、これらの情報がないようならワンチャンスを探っていくようにしましょう。

10)無スジ【外側から順に】

無スジとは今まで紹介してきた壁スジやスジ(表スジ・中スジ)に当たらない牌のことで、放銃する可能性が比較的高い牌となります。中でも内側の牌、つまり456は無スジの中でもかなり危険な牌となります。

今まで紹介してきた手順すべてに当てはまることなのですが、他家が明らかにチャンタ混老頭国士無双などのヤオチューハイを多く使用する役を狙っていない限り、1289などの端牌から順に切り出すのが基本となるので覚えておきましょう。

また、無スジの中でも特に避けた方が良いとされる、【裏スジ】【間4軒】【またぎスジ】などがありますので、もしよければ、こちら【スジ牌から危険牌を読む】の記事も参考にしてみてください。

まわし打ち

まわし打ちは、「ベタオリはしないけど、危険牌をできる限り避けつつ、遠回りしながらでも和了に向かう」というものです。他家の危険牌は避けつつ和了する・・・・なんとも都合の良い手法ですが、麻雀初心者にはあまり向かない手法となります。何故なら、あがれない(ことが多い)からです。

麻雀はそのゲームの特性上先制テンパイが圧倒的に有利なゲームです。なぜなら、先制テンパイ者の和了牌をつかまされていて、それが完全な不要牌であれば、いくらまわし打ちをしても逆転して先にあがることは絶対に不可能だからです。

なぜ「まわし打ちをする」かを考える

まわし打ちをするには理由が必要です。というのもベタオリの手順のでも少し触れていますが、特殊な条件下以外では基本的に現物以外の牌は必ず放銃するリスクが伴います。

1)合わせ打ち 安全牌危険牌矢印
2)37の壁スジである28の4枚目
3)4枚目の字牌
4)23・78の壁スジである19の4枚目
5)リーチ(テンパイ)者の現物
6)46の表スジである19の4枚目
7)3枚目の字牌
8)壁スジとスジ(表スジ・中スジ)【外側から順に】
9)ワンチャンス【外側から順に】
10)無スジ【外側から順に】

ベタオリする場合、基本的に1)⇒10)に向かって順に切り出していけば良いですが、まわし打ちをする場合状況に応じて8)や9)場合によっては10)を先に切り出す必要があります。当然ですが放銃するリスクがUPします。リスクを負うのであれば、成功した時の見返りが大きくなければするべきではありません。

まわし打ちをする理由は様々ですが、「この局を和了できればTOPで半荘を終えることができる」「高得点の役が既に確定している」「この局はなんとしてもテンパイ以上を目指して連荘したい」等が主にあげられると思います。しかし先ほどお伝えした通り完全不要牌が他家の和了牌なら、いくらまわし打ちを続けても和了することはできません。

一番避けたいのが、他家のテンパイに対して明確な理由もなしに「この牌はスジだから多分通る。」と安易に切り出すことです。そんな捨て牌に限って放銃したりします。麻雀は精神論では語れませんが、予期しない放銃は気がめいるものです。麻雀は集中力がとても必要なゲームなので放銃による集中力の乱れは打牌に少なからず必ず影響を及ぼすでしょう。

「ここで逆転するために、この牌を捨てる」だとか、「この牌が通れば役満が見える」等の明確な理由を持って打牌した牌であれば放銃しても案外納得がいくものです。

リスクを負ってまわし打ちをした結果、その得られる見返りをよく考えてまわし打ちをするかどうかを選択するようにしましょう。和了した結果1000点や2000点だったり手牌がイーシャンテンやリャンシャンテン、またそれ以前なら基本ベタオリ一択となります。

ゼンツッパ

ゼンツッパとは、他家のテンパイに対して、場の状況や相手の打牌(捨て牌)をまったく考えずに自身の不要牌ガンガン切り出していき和了に一直線に向かうことです。初心者がまわし打ちで悩むより有効な手法になる場合が多い手法となります。

ゼンツッパする時の状況を考える

麻雀初心者が中途半端にまわし打ちをするより、ゼンツッパの方が有効な手段になることが多いといっても、なんでもかんでもゼンツッパすれば良い訳ではありません。ゼンツッパをする条件はいろいろとありますが、とりあえず初心者は和了した時の点数を目安に考えるとよいです。

目安は子で8000点・親で12000点の満貫以上なおかつ、他家のテンパイに対してこちらもテンパイしている場合です。この状況下ではゼンツッパする意味は十分あります。麻雀初心者が中途半端にまわし打ちをしたあげく放銃するよりよっぽど良いでしょう。

ですが、和了した時の点数が満貫未満だったり、イーシャンテンやリャンシャンテン以前の手ならベタオリ一択です。

このような判断基準を決めておくと、他家のテンパイに対してほとんどがベタオリになってきますが、初心者のうちはそれで良いです。麻雀を打ち続けていれば、「スジ牌でも生牌(場に1枚も見えていない牌)だから危ない気がする」「染めていそうだからこの種の数牌と字牌は切れない」等いろいろなことが経験として蓄積され放銃率は確実に低くなります。麻雀初心者がまわし打ちを多用するのはこのような経験が蓄積されてからで良いです。

まとめ

麻雀は4人で遊ぶゲームで、基本的に和了できるのは一人だけです。つまり、4人の実力が同じ程度であれば上がれるのは25%程度で75%は和了することができないゲームとなります。相手が自分より格上なら和了できない割合はさらにUPします。必然的にオフェンスよりも守備のほうが圧倒的に重要なゲームということを念頭に置く必要があります。

特に、放銃すると挽回不可能な痛手を負うケースも多々あります。麻雀は【おりる】ゲームではなく【和了】を目指すゲームなのは間違いありませんが、とりあえず麻雀初心者は放銃しない(振り込まない)こと、つまり守備中心に摸打していくようにしましょう。