麻雀は4人で点数の授受を行い、最終的に持ち点が多いプレイヤーが勝利者となります。受け渡しする点数の高さは和了した(あがった)時の手役の価値によって決まりますが、手役の価値以外にも点数の高さが変動する要素が他にもあります。それが「積み棒」です。

「積み棒」も積もれば山となる-もくじ

積み棒とは?

積み棒・場棒

積み棒とは、場棒や100点棒との呼ばれ、局終了時に子が和了できなかった場合に、その時点での親が100点棒を卓の右端に1本置きます。次の局でも子が和了できなければ、さらにもう1本。また次の局でも子が和了できなければもう1本、、、、と子が和了できなければ、場に出される積み棒が増えていくことになります。

逆に子が和了すると、積み棒はリセットされ場に出されている積み棒は0本になります。ちなみに積み棒は子が連続で何回和了できていないかを示す目印として場に置いているにすぎません。リーチ棒や軽微なルール違反の時に出す供託とは違うので、子が和了して積み棒がリセットされる場合は、積み棒を出したプレイヤー(親)が積み棒を回収します。

ポイント
積み棒は「誰が出すの?」という質問が時々ありますが、積み棒は必ずその時の親が出します。親が流れると当然積み棒を出す人も次の親番の人に移ります。また積み棒の置き場所は、(親から見て)卓の右端(手前)となります。

「積み棒」と「本場」

麻雀をしていると、「東一局・一本場」とか「東一局・二本場」といったフレーズを良く耳にすると思います。本場とは親が連荘した時や、不聴(ノーテン)で流局した時にその数が増えるゲームの単位のことです。つまり積み棒の数と本場の数は必ず同じになります。積み棒のことを場棒と呼ぶのはその為です。

具体的な例を言うと、まずゲーム開始時は必ず【東1局・0本場】からスタートするので、
【東1局・0本場】で親が和了⇒【東1局・1本場】
【東1局・1本場】で親が聴牌⇒【東1局・2本場】
【東1局・2本場】で親が不聴⇒【東2局・3本場】
【東2局・3本場】で親が和了⇒【東2局・4本場】
【東2局・4本場】で子が和了⇒【東3局・0本場

このように子が和了しない限り「本場」=「積み棒」の数は増え続けることになります。

「積み棒」と「点数」の関係

積み棒が増えると和了時の点数が変動します。一般的には積み棒一本につき300点を加算して計算していくことになります。つまり積み棒が2本なら600点、3本なら900点、4本なら1200点、和了時の点数に加算されることになります。

また積み棒で加算される点数は、「親の点数は子の1.5倍」のルールに当てはまらないので、子でも親でも一律一本300点の加算となり、一本場でロンあがりをすると放銃者が300点を、同じく一本場でツモあがりをすると、他の3人から各100点の計300点を加算点として、受け取ることになります。

いくつか例を上げてみます。

一本場
一本場

まず符が「副底(フーテー)の20符」+「ツモ点の2符」+「東の暗刻の8符」=30符

役は、ツモ+ダブ東=3翻

つまり親の30符3翻で5800点(2000点オール)となります。ここに一本場の300点(各100点)を加えて2100点オールとなります。

二本場
二本場

次は二本場です。符は「副底(フーテー)の20符」+「ツモ点の2符」+「發の暗刻の8符」=30符

役は、ツモ+役牌發=2翻

子の30符2翻で2000点(500点/1000点)となります。ここに二本場の600点を加えると700点/1200点となります。

三本場
三本場

最後は三本場です。符点は「副底(フーテー)の20符」+「發の明槓の16符」=40符

役は、役牌發の1翻のみとなります。

子の40符1翻なので1300点。ここに三本場の900点を加えて合計点数うを2200点となります。

例を見てもわかるように積み棒で加算される点数はそれほど高くありませんが、半荘を通して全体的に見ると勝敗に関わる点数が動くこともあり、また長く麻雀をしていると「後100点で順位が入れ替わる」なんて場面も多々遭遇します。積み棒で点数がいくら動くかは常に意識しておきましょう。

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積み棒一本1500点ルールもある

積み棒は、和了した時に一本につき300点か追加で加算されます。これが一般的なルールで、一般的なルールでは積み棒で動く点数はかなり低くなっています。

これを解消するために、積み棒一本につき1500点を追加加算するというルールを採用しているグループもあります。つまり1本場のロンあがりの時は放銃者から1500点を、ツモあがりの時は他のプレイヤー3人から各500点、計1500点を積み棒分の加点として受け取ることになります。

積み棒一本のレートをあげると、よりゲームがスリリングになりますが、子の30符1飜1000点が手が3本場なら4500点が加算され5500点、4本場なら6000点が加算され7000点と通常手役の価値をかなり下げてしまうことになります。どちらも一長一短ではありますが、ルールをよく確認した上でその場のルール決めに従うようにしましょう。

ダブロンやトリロンの時の積み棒の扱い

まずダブロンやトリロンについてですが、「ダブロン」はダブルロンの略称で一人の放銃者に対して和了者が2人でた場合、和了者2人共に和了を認めるルール、そして同じく「トリロン」はトリプルロンの略称で一人の放銃者に対して和了者が3人でた場合、和了者3人共に和了を認めるルールで、「ダブロン」「トリロン」共にローカルルールとなります。

一般的なルールでは「ダブロン」の場合「頭ハネ」と言って、放銃者(振り込んだプレイヤー)から見て反時計回りに一番近い和了者のみの和了のみが認められます。例えば、南家の捨て牌で東家と西家がロン(ダブロン)を宣言んした場合、反時計回りに考えて一番近い西家のみの和了のみを認めるといったものです。

ダブルロン頭ハネ

次にトリロンの場合も一般的なルールでは、ダブロン同様に頭ハネで放銃者からみて反時計回りに一番近い和了者のあがりだけ認めるとするのが一般的です。つまり北家の打牌で東家、南家、西家がロン(トリロン)を宣言すると放銃者の下家にあたる東家の和了だけを認めるのが一般的です。

また、トリロンの場合は【三家和による流局】といって、和了者3人全員の和了を認めず流局にするルールを採用している場合もあります。

トリプルロン頭ハネ

このように頭ハネや【三家和による流局】を採用している場合は、通常ルールなので迷うことは無いと思います。ローカルルールである「ダブロン」や「トリロン」を採用している場合も積み棒の扱いについても原則は頭ハネです。

ただし、「ダブロン」や「トリロン」自体がローカルルールなので、ローカルルールを採用している以上、積み棒の取り決めもその場のルール決めが優先されることになります。

稀ではありますが、積み棒についてもダブロン、トリロン同様に和了者全員に適用するとしたルールを採用しているグループもあります。

積み棒に関わる麻雀のルール

積み棒には、「一本につき300点」加点されるルール以外に他のルールに使用されるケースがあるので紹介しておきます。

5本場の2翻縛り

積み棒が5本、つまり5本場になると適用される場合があるローカルルール。ルール決め次第では4本場から2翻縛りが適用される場合もあります。

麻雀は最低1翻以上の役が無いと4面子1雀頭の形になっていても和了することができません。これを1翻縛りと言います。2翻縛りとは1翻縛りの延長で最低2翻以上の役が無いと和了できないとするローカルルールです。

2翻縛りを採用する場合は、和了牌で2翻を確定させることを不可とする(2翻を偶然役での和了を禁止)ルールもあるので事前に確認が必要です。偶然役とは、嶺上開花(りんしゃんんかいほう)・槍槓(ちゃんかん)・海底摸月(はいていツモ/ハイテイモーユエ)・河底撈魚(はいていロン/ホウテイラオユイ)・一発(いっぱつ)などがあげられます。

和了牌での2翻あがりを認めるかどうかは、その場のルール決め次第になりますが、基本的には「喰いタンあり・後付けあり」俗に言うアリアリルールなら偶然役での和了を認める。逆に「喰いタンなし・後付けなし」のナシナシルールの場合は偶然役での和了は無しとする場合が多くなっています。

ローカル役満の八連荘(パーレンチャン)と破回八連荘(ポーホイパーレンチャン)

ローカル役満の1つに八連荘(パーレンチャン)といって、8本場の親のあがりで手役の翻数に関係なく役満とする場合があります。ただしローカルルールなので定義は様々で必ず親が連荘で8回和了しないと成立しないとする場合があります。この場合必ずしも8本場になるとは限りません。

また、八連荘に付随する役として、上記の条件で成立する八連荘を決定づける局で八連荘を阻止する子の和了を持って成立する破回八連荘(ポーホイパーレンチャン)というローカル役満もあります。

まとめ

積み棒で動く点数は1本あたりわずかたったの300点です。またその他のルールでも一部のローカルルールで採用されているだけなので、特に意識する必要はないと思いますが、点数が均衡している場合は順位や成績に影響を与える可能性があります。重要な局面では積み棒で動く点数も意識しながら手を進めていくようにしましょう。